宮島珍スポット「鏡の池」と岩惣の温泉
- 2024年02月17日
- ブログ
海に囲まれた厳島神社境内に不思議な池があります。一見、何の変哲もない池のようにも見えます。
しかし、干潮になるとおもしろいものが現れます。
手鏡のような丸い小さな池が現れます。見た目通り「鏡の池」と名付けられているこの池は、池の中心部から真水が湧き出ていると言われています。潮が引くと水面が下がり、池底から湧き出た真水が池を満たします。
人工のものではなく自然の造形美で、厳島神社の建築物と調和し美しい景観を作り出しています。
厳島神社の敷地外からも見ることができます。
実はこの鏡の池の水と岩惣の温泉が同じ水脈ではないかと考えられています。
岩惣は厳島神社の社務所から紅葉谷の方へ約40m登ったところに位置し、鏡の池から130mの距離しか離れていません。標高差は12mですが、岩惣の源泉は旅館より高台にありそれでも標高差30mくらいかと思われます。その源泉地からわずか5m掘った本来は井戸水であった水が岩惣の源泉であります。
元々その井戸水は、成分がほとんど入っていない真水に近く、岩惣の大浴場、池の水などで利用していたのですが、平成14年成分を分析したところ療養泉の基準であるラドンが検出されたため、源泉地の地名を冠して「若宮温泉」と命名しました。
若宮温泉はミネラル成分(温泉法では陽イオン=カルシウム・ナトリウム・マグネシウム等)の総量が10㎎/Lと、一般的な軟水の100㎎/Lの10分の1しか摘出されず、真水に近い超軟水にあたります。この超軟水に気体成分であるラドンが30キューリー/kg検出されたため療養泉として温泉登録されています。
厳島神社の「鏡の池」は海抜0mで自噴していますが、岩惣の場合は海抜約25mのところでろ過された水脈をポンプアップして大浴場に提供しています。湧出量は57L/分と岩惣の客室の温泉としては十分ですが、同じ水脈であれば、客室の稼働(温泉の利用量)と「鏡の池」の自噴量に何らかの関係性があるのではないかと想像できます。まだこれについてははっきりとした相関性は出ておりませんが、この関係性については今後も注目していきたいと思います。
【参考文献】
https://www.miyajima.or.jp/sightseeing/ss_itsukushima.html
https://www.miyajima.or.jp/sio/2024/sio02.php#calendar
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